日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年10月14日人前で堂々と話すために留意すべき話し方とは?

★政治家の記者会見を見て思うこと


以前から政治家の記者会見を見ていて思うことがあります。それは、ほとんど人が原稿から顔を上げずに書いてあることを読み上げている時間が多いということです。この読み上げている映像を見ると、ああ、この人は官僚やスタッフが作った文章をただただ読み上げているだけで、今話していることは自分が考えていることではないんだな、と思ってしまいます。そうした会見にはその政治家のパーソナリティは感じられません。もったいないことだなぁ、と思います。


また、この間ニュース番組を見ていると地方局のアナウンサーが全国に流れるニュースを伝えていました。その地方の経済活性化に関するユニークな取組を全国に紹介する番組でした。ところが、そのアナウンサーはとても緊張している様子で、笑顔がなく顔もこわばっていました。ニュースを読み始めると下に置いてある原稿を頻繁に見ながら話しています。ついには半分以上原稿を見ながら話し始めました。大丈夫かな、最後まで読めるかな、とこちらもドキドキしながら画面を見ていました。




★原稿は読み上げない


こうした光景は私たちの身近でもよくお目にかかります。会社や学校の行事での来賓のあいさつ、結婚式での来賓の祝辞など、かなりの人が原稿を読み上げています。その姿を見て、立派だな、と思う人は少ないでしょう。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでも、スピーチ実習で原稿を見ながら話す人がいます。そうした時、講師は必ず次のようなアドバイスをします。


「あがり症の人は人前で話すと突然話が飛ぶこともあるので、スピーチ原稿は手元に持っておいた方がいいです。次に話すことがわからなくなった時は原稿を見て構いません。しかし、原稿を見たまま話をしないでください。話す内容を確認したら聞き手の方に目を向けてから話しを続けてください」


話をする場合はどんな場面であっても、聞き手の方を見るのが大原則です。原稿に目を落としたまま話すことは、自信がない、聞き手のことを見ていない、棒読みになる、など様々なマイナス要素があります。何よりも書いてあるものを読んでいるのでは、話し手自身の意思を感じることが出来ません。話しをするということは自分の考えや意思を伝える行為です。なので、原稿に目を落としたまま話すことは絶対に避けねばなりません。



★原稿なしでも話せるくらい練習する


しかし、「でも話すことは原稿に書いてあるのでそれを見ないと話しができないじゃないか」と思う人もいるでしょう。人前で話しをする際は、事前の準備をしっかりとする、ということが大前提です。基本的に、原稿がなくても自分の言いたいことは言えるまで原稿を練り込み、声に出して練習すべきです。それでも本番で話が飛んでしまうことがあるので原稿は手元に置くべきなのです。手元の原稿を見れば次に話すことは確認できます。ああ、こういうことを話すんだった、と確認できたら原稿から目を上げて、聞き手の方をしっかりと見て、堂々と話しを続けましょう。


話は、ことば以上に見た目で聞かれます。まず話す態度がしっかりしていないと、この人の話を聞こう、とは思ってもらえません。そのためには、しっかりと事前準備をする、話す時は原稿から目を離して話すということを心がけてください。



★話し方を学びませんか?


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、上に述べたことも含めて、あがり症を克服して人前で堂々と話せるようになる秘訣をお伝えし、個々人にあったトレーニングを行っています。その成果は多くの受講生が実感しています。ぜひ受講者の声をご一読ください!

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